エクアドルのA・アギナガ
エクアドルはワールドカップ(W杯)初挑戦以来、40年を経てようやく初出場の悲願を果たした。
代表チームの功労者として尊敬を集めているのが、10年以上も代表で「10番」を背負うMFアレックス・アギナガ(33)だ。
1989年南米選手権に出場した際、スペイン1部リーグのバルセロナ、レアル・マドリードから誘いを受けたこともある。
柔らかいボールタッチ、創造性あふれるパスセンスは、名門クラブの注目を集めた。
だが、条件面で折り合わなかったことなどから、メキシコのクラブ、ネカサでプレーしてきた。
W杯で才能を披露する機会にも恵まれずにきた。
アギナガは「ワールドカップは、神が与えてくれたプレゼントだ」と言う。
ネカサのオーナーは「われわれの誇る才能が、ついに世界の目にさらされる時がきた」と祝福する。
ただ、その才能も年を重ねるにつれ徐々に輝きを失いつつある。
現実的に活躍が予想されるのは、イングランド・プレミアリーグ、サウサンプトンに所属するFWアグスティン・デルガドら、若手の選手になるかもしれない。
それでもアギナガの代表での地位は決して揺るがない。
かつて、選手起用をめぐるトラブルから、コロンビア人のゴメス監督が辞表を出した時、アギナガが「こんなことで監督が辞めることになるなら、自分も代表を離れる」と発言。
これをきっかけに、監督は慰留されて辞意を撤回し、事態は収拾した。
アギナガは、そんな存在である。
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