パラグアイのサンタクルス

FWの要素すべて持つ
世界的GKのチラベルトを中心にした堅い守りが持ち味のパラグアイに、攻撃でも世界に誇る新鋭FWが現れた。
20歳のサンタクルスだ。
注目を集めたのは、1999年ナイジェリアで開催された世界ユース選手権だった。
多くの有力チームが獲得に乗り出し、大会後に欧州を代表する名門のバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)が、17歳だったサンタクルスと約1000万マルク(当時のレートで約6億8000万円)で5年契約を結んだ。
破格の金額こそ将来性への評価だった。
同年夏にパラグアイで行われた南米選手権では日本と対戦したときに、2得点を挙げている。
ドイツ1部リーグ(ブンデスリーガ)のデビュー戦をゴールで飾った後、元ドイツ代表のマテウスが「彼は数年後、きっと金額では推し量れない選手になるよ」と話したという。
世界レベルの選手が集まる昨年の欧州チャンピオンズリーグ優勝チームでも、出場機会は増えつつある。
190センチ近い身長の割に足元のボール扱いもうまく、スピードも十分。
FWに必要な要素をすべてに持つ。
ただ、潜在能力を出し切っていると、周囲は見ていない。
W杯予選では12試合出場で3得点。
今季のブンデスリーガでも故障の影響などがあり、得点を量産するには至っていない。
スター候補と言われながら、年月が過ぎている。
新鋭から真のスターへ。
W杯で活躍すれば、その形容詞は変わる。

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