イングランドのファーディナンド
スライディングタックルとロングクリアが代名詞だったイングランド人DFのイメージを、がらりと変えたのがリオ・ファーディナンド(23)だ。
パスコースを予測してカットし、巧みなボールキープと正確なフィードで攻撃の起点となる。
スマートに攻守を切り替えるプレースタイルが早くから注目され、前回フランス大会前に19歳で代表デビュー。
将来を嘱望されたが、奔放な私生活が足かせとなり、伸び悩んだ。
ロンドンの下町で生まれ育ったファーディナンドは、第一線で活躍し始めても遊び仲間との付き合いをやめることができなかった。
「二日酔いで練習に身が入らないこともあった」。
試合でも集中力が続かず、イージーミスを連発することが多かった。
一昨年11月にウェストハムからリーズに移籍したことが転機となった。
都会の誘惑から離れ、ひなびた城下町で「コンピューターゲームとテレビドラマしか娯楽がないから、サッカーの面白さを思い出せた」アーセナルとアイルランド代表のDFとして一時代を築いたオレイリー監督の指導で、プレーと人間性の両面で急速に成長。
移籍1年目の昨季途中から、故障で戦線離脱したラデベに代わって主将を任された。
今季はファーディナンドの負傷がリーズの不振に直結し、来季の欧州チャンピオンズリーグ出場権を逃した。
W杯で、世界トップ選手とテクニックでも渡り合えることを見せつけられるか。
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