フランスのアンリ

イングランド・プレミアリーグ、アーセナルのベンゲル監督は、ティエリ・アンリを「世界一のセンターフォワード」と確信に満ちた口調で言う。
今季リーグ戦で無得点試合ゼロのアーセナルを支える24歳のフランス人FWだ。
チャンスに対する臭覚、ゴール前でのものすごい加速とテクニック…。
危険度は間違いなく世界トップクラスだ。
才能を開花させたのはベンゲル監督だった。
フランスのモナコからイタリアのユベントスを経て、1999年8月、ベンゲル監督と“相思相愛"の形でアーセナル入りした。
モナコ時代も指導したことがあるベンゲル監督は、サイドアタッカーだったアンリをセンターフォワードにコンバート。
「中央に移ってから、自分のサッカー人生は新たな広がりを見せた」とアンリ。
ベルカンプ(オランダ)やカヌ(ナイジェリア)らを押しのけ、チームのポイントゲッターに成長した。
フランス代表でのポジションも同じだった。
しかし、ピレスの離脱で状況が一変。
W杯では1トップはトレゼゲに譲り左ウイングでプレーする可能性が高い。
ジダンや左DFリザラズと連係してチャンスメークも求められる。
しかし本人に不安はない。
「リザラズやジダンとの相性?彼らとうまくできないくらいならサッカーを辞めた方がいいよ」。
ピレスはアーセナルの同僚で親友でもある。
アンリには「彼のために優勝するまで戦い抜く」という気持ちもある。

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