引退撤回、最年長53歳 「花道はメダルで」
【バンクーバー共同】パラリンピックのアイススレッジホッケー日本チーム最年長のゴールキーパー(GK)福島忍選手(53)=静岡県藤枝市=は、引退を撤回して今大会に臨んだ。16日(日本時間17日)の米国戦は途中出場し好セーブも。この競技で日本初のメダルを手に、引退の花道を飾るつもりだ。

24歳のとき、バイク事故で脊髄(せきずい)を損傷し、車いす生活に。1998年の長野大会を見て競技を始めた。小学生から続けていたサッカーではGK。アイススレッジホッケーでも同じポジションを選んだ。2002年のソルトレークシティー大会で初めて代表に選ばれた。

06年トリノ大会後に引退するつもりだったが、仲間に誘われ、断れないまま練習に加わった。一度も手にしていない「メダル」が心の隅にひっかかっていたからだ。

昨年11月に海外遠征のメンバーから外され、中北浩仁監督(46)に引退を告げた。「あほなこと言うな」と一喝された。「揺れていた気持ちを見透かされたみたい。目が覚めた」。バンクーバー大会を競技生活の集大成と決めた。

今回は控えのGKだが「やるからには、自分より若いやつには負けたくない」と闘志を燃やす。

米国戦は、5点リードされた第3ピリオド途中から出場。1点を奪われたものの、世界ランキング1位の強豪を相手に、好セーブを見せてピンチを救った。

試合後「4強じゃ満足していない。カナダ戦でも集中して出番に備えたい」。今はただ、頂点を見つめている。

03月17日(水)16:33

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